アルバム参加者の皆さんからコメントを頂きました。

小林しの インタビュー コメント 


ササキアツシ(ポプリ/ex.Melting Holidays)

「Cold And Warm winter EP」リリースに寄せて

Cheer Up!をご覧の皆様こんにちは!ポプリ、melting holidays等で曲を作っているササキと申します。
まずは、小林しのさん「Cold And Warm winter EP」リリースおめでとうございます!!
しのさんと知り合って15年程になりますが、今もこうして音楽の役割を依頼してもらえるのはとても嬉しいです。

今回の企画は始め「星の色に似た海」のアレンジを頼まれた事がきっかけでした。
この曲は作曲がthe Bookmarcs/the Sweet Onionsの近藤さんです。参考の為に頂いたデモがこの時点で素晴らしかったです。
近藤さんの弾くアコギをバックに近藤さんと小林しのさんが美しいハーモニーを奏でていて、この音源だけですでにアコースティック曲として必要な要素だけを残して他はすべて削ぎ落した様なストイックな魅力にあふれていました。
美しいハーモニーとメロディ。 そこで私は違う方向からアプローチを試みました。
音ををたくさん出来るだけ詰め込もうとおもいました。
冬の夜空や宇宙が歌詞の題材となっているので、宇宙的効果音や日常的な音をマイクで採集したりシンセサイザーで作ったりしました。
ホワイトノイズにローパスフィルタをかけて長いリバーブをかけたサウンドが常に奥の方で鳴り続けます。
そこに水道の水の音やコップに入れた氷をかき混ぜる音、新聞紙を丸めたり破ったりする音、本のページをめくる音などをいれました。
演奏的なギターはタサカくんにほとんどお願いしましたが、逆回転ギターのようなサウンドは私が家で一部演奏しています。
タサカくんのエレキパートも自由に弾いてもらいましたが、フレーズ的でありながらエフェクティブで幻想的ないい雰囲気になりました。
リズムはメインのビートとサブでグリッチエフェクトをかけて切り刻んだビートが鳴っています。

次に「うさぎのウシャンカ」これは元は2009年11月にニコニコ動画で、当時のめりこんでいたボカロ曲として発表したものです。
ずいぶん前にマイリス一斉非公開にして以来この曲も日の目を見ずにいましたが、「星の色に似た海」の作業中に息抜きで私が歌ったものをしのさんに聴いてもらったりして、(これはしのさんが歌ってくれたらイメージにピッタリに違いない)と思っていたので、「うさぎのウシャンカも歌ってみませんか?」と提案して採用してもらいました。

小林しのさんはご存じの様にシンガーソングライターで、作詞も作曲ご自身でされる方なので、完全に私が作ったものを歌ってもらうというのは今おもえば恐れ多いことです。
しかし、雪が積もる冬景色の中で子供たちがそりを滑らせて遊ぶ、この歌はしのさんが歌ったら超素敵ではないですか。
制作開始前からわくわくです。

アレンジは全て今の技術や知識でやり直しました。
前回小林しのさんのお手伝いをした「人魚の夜」の延長にあるようなサウンドを目指しました。
心の奥底に今も眠り続ける1960年代後半のサウンドへの憧れ。
こういった気持ちを全力で投入しました。
コーラスとハモリを自宅で20トラックくらい録音しました。
サビに到達したときに一気に開放されるような高揚感と重厚感みたいのが大好きなのです。
ベース録音も自宅でしたのですが、これもラインを考えるのがすごくたのしかったです。
ギターはタサカくんに弾いてもらって、タサカくんの提案でギターソロが入りました。
ソロというかメロディというか、とてもタサカくんらしい渋さのあるサウンドで弾いてくれました。

そんなわけで完成した音源を聴くと、しのさんの声が本当にイメージに合っていて、この日の為にこの曲は10年も前からしのさんに歌われるのを待っていたんだ!とおもいました。リリカルでファンシーで、絵本の読後のような優しい気持ちになりました。
しのさんやタサカくんや近藤さん、高口さん他関わったすべての皆さんの力添えのお陰で素晴らしい音楽ができたとおもいました。

ポプリTwitter
https://twitter.com/_pot_pourri_


高口大輔(philia records/the Sweet Onions)

しのさん、EPリリースおめでとうございます。

今回は「うさぎのウシャンカ」のボーカルレコーディング、そして、「小さな夜」の編曲を担当しました。
今回のしのさんは、ボーカルにものすごくこだわっていました。
ただ綺麗に歌うだけでなく、どうやったらいい作品になるかを常に考えながら歌っていた印象です。
何度もリテイクを繰り返し、時には別日に録りなおしたりしながら仕上げていきました。
冬のクリスマス時期にリリースすることは決まっていましたので、スケジュールが迫る中で何度もトライする姿に、いかに自分の作品を大事にしているかが伝わってきました。
結果として「うさぎのウシャンカ」「小さな夜」ともに良い歌が録れたと思います。

「小さな夜」のアレンジも、そんなしのさんに引っ張られるように、直前まで手直しを続けながら出来上がった作品です。
この曲はヴァースが4回繰り返され、その後ようやくサビが出てくるという独特な展開を持つ曲です。
4回の中でどう変化をつけてサビに向けて盛り上げていくかを考えるのが楽しく、3回目で落として、4回目にフル演奏で盛り上げる形をとりました。
イントロでは、ハイポジションのベースを2本重ねて、8分で鳴らしました。
ここが個人的にはお気に入りポイントです。

しのさんの曲って、◯◯風にしようとか、こっち系の音楽に寄せてみようという作り方にあまりならないんです。
それよりも、自分の心に映った心象風景をどうやって形にしていこうか?といったことを考えることが多く、効果音的な役割を持つシンセを入れたくなります。
今回も所々に散りばめています。

今年の冬も寒いですが、部屋であったかくして静かな夜に聴いてほしいEPです。

philia records Official Site
http://www.philiarecords.com


近藤健太郎(philia records/the Sweet Onions/The Bookmarcs)

「Cold And Warm Winter リリースに寄せて」

まさに待望と言っても過言ではない、小林しのさんの新作「Cold And Warm Winter」をphilia recordsから昨年12月23日に、無事配信リリースすることが出来ました。しのさん、おめでとうございます!

僕は「星の色に似た海」の作曲、そして多重コーラスで参加させていただきました。この曲はしのさんのライブで何度か演奏していたり、僕がソロでライブをやった際にこっそり歌っていたりと、個人的にも大変愛着のある曲です。宇宙の広さと日常の感情や風景との対比、星と海の美しい描写、しのさんが紡いだ詩的な歌詞のおかげで、曲の世界観は一気に確立しました。

アレンジはササキさん。届いた「音」は、不思議な響きと幻想的な輝きを放っていて、アタマの中にサイケデリックな映像が広がりました。自分の予想していたアレンジと全く違っていたのがまた嬉しくて、「これはすごい…」としのさんに返信したことを覚えています。

ボーカルレコーディングにも立ち会いました。納得いくまで何度も歌に向き合うしのさんの姿から、作品にこだわりを持つ大切さを学ばされましたし、同じく真摯に音作りに挑むササキさん、高口君と同じ現場を共有できたことが嬉しかったです。

「Cold And Warm Winter」は全3曲。ササキさんの魅惑的な楽曲とアレンジ、高口くんが手掛けたアレンジとマルチな演奏、タサカさんの絶妙なバランスで奏でられる情熱的なギターソロ、そしてしのさんの楽曲と言葉(歌詞)。なんとも贅沢で豊潤な曲達が生まれました。この作品が、多くの人に長く愛されることを願っております。

The Bookmarcs Official Website
https://www.thebookmarcs.net/
philia records Official Site
http://www.philiarecords.com


タサカキミアキ(ギター /ex.Melting Holidays)

小林しのさんと初めてお会いしたのは、かつて"小さなときめきを集めた小冊子"且つギターポップのコンピレーションとして2005年に発売された"my charm #9「Fantastic Fantasy」"で、コンピ内共演させていただいた後だったと思います。
その時にはしのさんは「赤い目のジル」を提供していて、僕の所属していたバンドMelting Holidaysは「Morning Star Lily」を提供していました。

しのさんは、その「声」で世界観を作り出すことができる希有な存在で、最初に聞いた時に引き込まれ、気づいた時には自分の呼吸のリズムが変わっていたことを思い出します。

その後しのさんとは、2016年のソロアルバム「Looking for a key」で演奏で参加させていただき、2018年のシングル「人魚の夜」では、初めて共演させていただいた「morning star lily」を日本語カヴァーしていただきました。
圧倒的な世界観を表現してもらったことに何より感動したことを昨日のように覚えています。

今回話をいただき、「うさぎのウシャンカ」は邪魔をせずメロディックなギターを心がけました。
ソロはカーペンターズの「Goodbye to Love」のような抒情的なメロディに、AメロBメロCメロの主旋律を裏切り且つ曲をドラマチックに盛り上げられるようプレイしました。
「星の色に似た海」は聞いた瞬間が深海から見える海面の一本の光の筋でした。
同時にサイケ感を表現できるようプレイしました。しのさんの世界観にマッチしていると感じてもらえれば嬉しいです。
この作品を聞いた皆さんが喜んでくれることを楽しみにしています。



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