2015年からオルガン+ドラムでの音作りを進化させてきた太田美香+山下佳孝DUOが待望の1stアルバム『ゆらり』をリリースしました。今作ではライブで多く共演してきたサックス・プレイヤーの浜崎航さん、パーカッショニストの松岡 matzz 高廣さんをフィーチャリングして、様々な感情を呼び起こす曲の数々が収録されています。作曲はカヴァーの「on a clear day」を除き全て太田美香さん。オルガンの世界で活躍を続ける太田さんの作品はどれも素晴らしく、ぜひ多くの方に聴いて頂きたいアルバムです。
今回は太田美香さん、山下佳孝さんそれぞれにインタビューさせていただき、さらに浜崎航さん、松岡 matzz 高廣さんからこの作品に参加してのコメントを頂きました。(2019年12月)

<太田美香インタビュー> <山下佳孝インタビュー> <コメント> 


---山下佳孝さんとDuoを結成することになったいきさつについて伺えますか?また、太田さんからみて山下さんはどんなお人柄ですか?

太田:jazzのライブはその日その日で色々なメンバーと組みます。その中で何度か山下さんともLiveをご一緒する事があったのですが、山下さんは音楽的にも様々なジャンルに精通していてアプローチも面白いので「山下さんとDUOしたら自分のオリジナル曲が、もっと面白くできるではないか?」と思い、私からナンパ(笑)したのがきっかけです。
正直、それまで話を深くした事が無かったので、不思議な人だとずっと思っていましたが(笑)、4年経った今でも不思議な魅力を持っている人です。会う度に様々な新しいアーティストをお互いに「これどう、どう?」と提示して提案しあっています。ミュージシャンとしては当然の事ですが、ジャンルに関わらず新しいものを見つけ出したい探究心をいつもお持ちの方です。

---この編成(オルガン+ドラム)を思いつかれたきっかけについてはいかがですか?

太田:山下さん、と私、という楽器も含め人間的な二人のアプローチが面白いと思ったのがきっかけです。
フィーチャリングして他の楽器とライブをする事も多いのですが、どういう人と組み合わせると、太田のオリジナルに合うだろうか?と考えています。

---今回の1stアルバム『ゆらり』をリリースすることになった経緯を教えて頂けますか?

太田:ライブを重ねていくうちに、CDを作らないの?という声を色々頂き、また共演してきた浜崎航さんや松岡 matzz 高廣さんからも「作ろうよ!」と後押しして頂きました。ライブ感をどう音源にできるか、そこは不安でもありました。

---今回のアルバムのレコーディングはどのような様子でしたか?

太田:今回レコーディングしたYUME STUDIOは、浜崎さんから紹介していただきましたが、本当に素晴らしいスタジオです。4人のライブのスタイルを崩す事なく、スムーズ過ぎるくらいのレコーディングでした。

---ジャケットがとてもきれいですよね。Joe Wuさんに依頼された経緯について教えて頂けますか?イメージについてはお任せしたのでしょうか。

太田:『ゆらり』の音源を聴いていただき、そのイメージを伝えて、描き下ろしてくださいました。Joeさんは元々matzzさんのファンで、matzzさんから「絶対イメージに合うから頼みましょう」と紹介して頂いたのがきっかけです。

---今回、ゲストに浜崎さん、松岡さんを迎えた経緯を教えて頂けますか?お2人とは共演の機会も多いのでしょうか。

太田:浜崎さんは20年来の友人ですが、同じステージに立ったのはここ数年です。matzzさんは別のバンドでご一緒したのがきっかけ。
二人とも国内ならず、海外でも活躍し、尊敬するミュージシャンでもあります。そんな二人とライブを出来ることも光栄なのですが、二人から「アルバム作ろう」と言ってくれたのは本当に嬉しかったです。

---今回のアルバムはカヴァー1曲をのぞいて、すべて太田さんの作曲。太田さんの作曲方法はどのようにされているのでしょうか?

太田:うーん。色々です(笑)。鍵盤に向かう事もありますし、五線に向かって書く事もありますし・・・。

---今回、太田さんのオリジナルの中で1曲だけカヴァー「on a clear day」が収録されています。メロディがきれいで心が清々しくなる曲ですよね。

太田:小さい頃にこの曲に出会って、弾いてきた曲です。Duoのライブの定番曲で、年を重ねて演奏の思いも少し変わってきたな、と感じて入れました。

---ここからは、曲をピックアップしてお伺いします。

◆1:touch off(Mika OTA)
---coolなイントロから惹きこまれます。うねりのあるベースラインがすごいですね。4人のユニゾンがかっこ良かったり、緊張感のある曲と感じます。

太田:誘発しあう曲が欲しくて、作りました。

◆2:good goody(Mika OTA)
---楽しい曲!ラテンのノリで松岡さんのパーカッションが効果的。ライブで聴きたい1曲です。

太田:ライブではかなり盛り上がります。

◆4:ゆらり(Mika OTA)
---アルバムタイトル曲。ちょっと不思議で美しい曲ですね。感情のゆれをテーマにしたとのことですが、そのあたりはいかがですか?

太田:私自身の話ですが、音楽的にすごく良い方にも悪い方にも揺れていた時期にできた曲です。それまでの作曲の方向と少しづつ変化するきっかけの曲でもあります。

◆6:sink or swim(Mika OTA)
---アップテンポのベースラインがとても気分アガります。皆さんが楽しんでいる雰囲気。オルガンもサックスも冴えわたりいつまでも聴いていたくなる曲。

太田:大相撲が好きなのですが、その勝負感・・・と言いますか、取り組みの緊張感から生まれた曲です「伸るか反るか」という意味です。

◆7:ama-zora(Mika OTA)
---ama-zoraのアルペジオは雨を表しているのかな?と感じました。サックスの美しいメロディーと相性抜群ですね。

太田:雨の日の空気とか匂いとか、昔の想い出を思い浮かべますよね。その想いで描きました。

◆8:rage on(Mika OTA)
---情熱をすごく感じました。熱い気持ちになれる曲。タイトルは"荒れ狂う"という意味なのでしょうか。

太田:爆発する、という意味です。

---ここからは、太田さんのプライベートについてお伺いします。
まず学生時代よく聴いていたジャンルやアーティストについて教えて頂けますか?


太田:電子オルガンを習ってきて、ほぼノンジャンルの雑食人間なので、これ、と言えないのが正直なところです。ただ小学生の時にキース・エマーソンを聴いたのがきっかけでオルガンに目覚めました。

---影響を受けた演奏家はいらっしゃいますか?

太田:出会った演奏家全てに影響されていると思います。挙げられません・・・。ただ、作曲家としてとても好きなのは、マーク・シャイマン、ガーシュイン、バーンスタイン・・・とミュージカルや映画音楽に携わる作曲家が好きです。

---好きな映画や本について教えて頂けますか?

太田:映画については、100回以上は観ているのは『サウンド・オブ・ミュージック』
映画監督イザベル・コイシェが好きなので『死ぬまでにしたい10 の事』
フランス映画が好きで『最強のふたり』
本は、芥川龍之介『歯車』、東野圭吾『変身』、西加奈子『ふくわらい』

---太田さんは大相撲がお好きだそうですね。最近のイチオシ力士は?

太田:昔から小兵力士が好きなので、今は炎鵬、石浦ですか。

---このWEBマガジンの恒例企画です。太田さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?

スティービー・ワンダー『Talking Book』


チック・コリア『Return to forever』



---今後の展望について伺えますか?

太田:まだまだDUOは色々な方向に発展できそうです。オリジナルも新曲も積み重ねて種まきをしていこうと思っています。

---どうもありがとうございました。DUOの今後や、次のアルバムについても楽しみにしております。








『ゆらり』 太田美香+山下佳孝DUO

1:touch off(Mika OTA)
2:good goody(Mika OTA)
3:FUSS(Mika OTA)
4:ゆらり(Mika OTA)
5:on a clear day (Burton Lane)
6:sink or swim(Mika OTA)
7:ama-zora(Mika OTA)
8:rage on(Mika OTA)
9:adore u(Mika OTA)

太田美香:Organ
山下佳孝:Drums&etc
feat:
浜崎航:Saxophone
松岡 matzz 高廣:percussions

発売元:NEW VINTAGE RECORDS
発売日:2019年9月18日
定価:¥2,500(本体)+税
商品番号:NVRC-2937

【太田美香+山下佳孝DUO プロフィール】
電子オルガンの演奏&編曲家として全国で活動し、メディアでの演奏も多数経験。2011年からは自身のオルガントリオの他、funk、pops、rockサポートキーボード奏者として活動している太田美香。
Dear Blues, TRISPACE等数多くのグループでのレギュラー活動の他、ジャズのみならずブラジリアン、ポップス、ジプシー等、広いジャンルでの音楽活動を活発に行う山下佳孝。
この2人が、2015年からDuoでのライブ活動を開始。
ライブを重ねる度に、オルガン+ドラムでの音作りを進化させてきた。カバー曲のアレンジも然り、太田のオリジナル曲も周波数音やアルペジオ等々を積極的且つ、実験的に取り入れた自由度高いライブパフォーマンスを繰り広げている。

【ゆらり】
触発、誘発、伸るか反るか、激情…曲タイトルの意味だけを並べると、どれだけの激しいサウンドなのかと思われるが、「ama-zora」「adore u」バラード2曲と同様に、激しさの中にもメロディの優しさが目立つ。今回はライブでも多く共演してきた2人をフィーチャリング。浜崎航がそのメロディを熱情と優しさをもって歌い上げ、松岡” matzz”高廣がサウンドをアイデアとプレイのキレで彩っている。感情のゆれをテーマにしたタイトル曲「ゆらり」を始め、自由度高く実験的なライブパフォーマンスをそのまま感じられる、太田美香+山下佳孝Duoアルバム第1弾。





◆太田美香 プロフィール

エレクトーン奏者として数多くのキャリアを持ち、メディア露出も多数ある鍵盤マルチプレイヤー。
学校教育現場でも鑑賞教室に多く招待され、 エレクトーンの楽しさを伝えるコンサートを展開するなど幅広い音楽ジャンルを演奏し実力を発揮。
現在所属している「YT. Trio」の他にも多くのサポートを勤め、そのエネルギッシュなライブパフォーマンスは各方面で注目を集めている。
1993年第30回エレクトーンコンクール全日本大会入賞をきっかけに演奏活動開始。
1996-2008年まで、ヤマハ専属エレクトーンデモンストレーターとして活動。
1995年カンヌ日本文化フェスティバルでのミュージカル伴奏
1996年より3回福井県三国町にて開催された「第九演奏会」ではオーケストラパートを担当。
1997-98年中部日本放送(CBC)「興味のルツボ」、2001-02年テレビ金沢「じゃん・けん・ぽん」、 両番組でエレクトーン演奏を担当。視聴者からのリクエストも多数寄せられる。
現在は、フリー鍵盤奏者として、本来得意とするファンク&ロック& R&B中心のLive活動に加え、Y.T.Trio(太田美香(Org)&荒川岳大(Gt)&砂掛裕史朗(Ds))他、多数のバンドに参加し、中部地区を中心に全国でLIVE活動を展開中。五島良子等々、POPSシーンのサポートキーボードとしても精力的に活動し、そのセンスを発揮している。
「月刊エレクトーン」&エレクトーン曲集(ヤマハミュージックメディア出版)のアレンジャー テーマソング&ジングル等の作曲・編曲活動、特別レッスン等々での指導・・・とその活動は多岐にわたる。


太田美香 Web Site
http://mikaaaanweb.web.fc2.com/
Twitter
https://twitter.com/mikaaaan




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