The東南西北が来る5月9日に新作「re-flight」をリリースする。
デビュー曲「ため息のマイナーコード」や名曲「内心、Thank you」の新録音をはじめ、新曲も2曲含まれるという。久しぶりにThe東南西北としてのLiveも予定されている。

The東南西北は1985年CBSソニーよりデビュー。切なくどこか懐かしい歌の数々、美しいコーラスワーク、キラキラしたサウンドで、バンド・ブームの中にあって他のバンドとは一味違った魅力で輝いていた。
学生時代のウキウキした気分が蘇ってくるような「イタバリ・ローカ」、恋の切なさ満点の「内心、Thank You」、今改めて聴いても色あせない普遍的な気持ちが歌われている。

今回は、The東南西北の多くの曲で作詞・作曲を手がけ、ハイトーンを含む音域の広いVocalを担当。解散後はシンガー・ソングライターとして、また嵐やSMAPなど多くのアーティストに曲を提供する作家としても活躍中の久保田洋司さんにお話を伺った。

そして久保田さんがThe東南西北にまつわるエッセイを連載して下さることに!
「花咲く随筆」こちらからどうぞ。

◆久保田洋司インタビュー

---ニューアルバムリリースの話には驚きました。
解散したのは1991年、あれから20年たってそういう話が出たいきさつをぜひ教えてください。

久保田:僕たちが高校生のころよくかよった尾道のジャズ喫茶「ANDY」の30周年パーティーがあったんです。2008年のこと。
招待の葉書に、なにか歌ってほしい、と。
The東南西北は「ANDY」で育ったようなところもありますから、歌うなら、久保田個人とか、元メンバーによる合奏とかじゃなく、The東南西北として歌いたいと思い、メンバーに連絡しました。集まれたのは5人中3人でしたが、残る2人の思いも預かって、その日、久しぶりに、The東南西北として演奏したんです。元メンバーによる合奏なら、集まれる者で、何度かやったことがありましたが、1991年の解散後、ちゃんとThe東南西北を名乗って、それを自覚して演奏したのは、はじめてです。
演奏してみると、とってもキラキラで、美しかった。これを、ここだけのものにしていいだろうか。日本中に、これを待っていてくれる人がいるんじゃないか、と思った。

ちょうど、そのタイミングで、尾道の映画館の「応援ソング」を作ってもらえないか、と頼まれました。尾道といえば、映画の町でもあるのに、映画館がしばらくなかった。それを町の人たちが、がんばって再建させたんです。
The東南西北として、その歌を作り録音しました。
「駅前映画館」といいます。
この歌は、映画館で映画と映画のあいだに流れるなど、この映画館でしか、聞けないものでした。
この歌の完成記念に、映画館でThe東南西北がライブをしました。2009年。このときも3人。
このことがきっかけとなり、実動できる3人で、ライブを時々やるようになったんです。
尾道のお寺や、ライブハウス、大阪、熊本にも、行きました。
これを、つづけていけば、いつかは5人で集まれるだろうという思いもありましたね。
そうするうちに、やはり「駅前映画館」をCDにしてほしいという声が聞こえるようになり、ならば、その曲だけでも、自費出版みたいなことで、出してみようか、と考えるようになりました。
2011年早々に、The東南西北のデビュー当時からのディレクターだったソニーの今泉雅史さんの、定年退職のパーティーが開かれました。
久しぶりに、今泉さんに会えば、僕のソロのアルバムを聞いてくださってて「よかったよ、また、なにか一緒にやろう」と。
それから、2ヶ月一杯考えて、今泉さんに、The東南西北のレコーディングの相談をしに行きました。
いくつかのアイディアをいただきました。
シングルを作る案。
新たに選曲したベスト盤に新曲を入れる案。
今のThe東南西北のライブを録音する案。
旧作をリアレンジして新曲と一緒にニューアルバムを作る案。
メンバーと相談すれば、やはり一番興味があるのは、ニューアルバムを作ろうという案。
そこから、とにかく、今のThe東南西北の音を基本にしたアルバムを作ろう、と動き出しました。


---ニューアルバムでは当時の歌を新録音したとのこと。どんなお気持ちで歌ったのでしょう。また、選曲の基準は?

久保田:3人(久保田、大池、清水)でのThe東南西北は、何度かライブをするようになっていて、そこでは、The東南西北のシングルをはじめとした代表曲、人気曲を中心に演奏していました。
アルバムの選曲も、自然にその中から、特に3人で上手く演奏できる曲を選びました。
さらに、新曲をもう一曲。というのは、「駅前映画館」をシングルにしようか、という話が出たときから、カップリングで、もう一曲、良い曲を作りたいと思ってました。
「花咲く歌」という歌になりました。
とっても気に入ってます。

ライブでもレコーディングでも、歌ってるときの気持ちは、変わらないと思います。二十数年前歌っていた18〜23歳ぐらいのリアルな感じを、また、体験しているような気持ちと、時が過ぎて、今の自分として見ている気持ちと、それが同時にありますね。詞の意味もあらためて理解できるところもあるし、ソロでのライブで、時々The東南西北ナンバーを歌うときもありましたが、それとは違うキラキラしたものが、あると思います。


---レコーディングの光景はどんな感じだったのでしょうか。
当時の空気感など思いだされたでしょうか。

久保田:レコーディングは、今の演奏スタイルを中心にしています。
久保田がギター、ボーカル。
清水が、ベース。
大池が、カホン。
カホンというのは、ドラムじゃなくて、木製の四角い箱型で、その上に座って、素手でたたいて鳴らす楽器です。
お寺や映画館で演奏するときに、ドラムでは音が大きすぎるし、ドラムセットを組むスペースが確保できないこともある、とすると、カホンが丁度よかったんですね。
大池くんのアイディアです。
3人で、一緒に音を出して、そのまま録音しました。
昔は、コンピューターを使ったいわゆる打ち込みのリズムだったり、一人ずつ別々に、録音したり、ということをやってましたからけっこう機械っぽいところも多かったんですが、今回のものは、よりライブに近い、それも、今のThe東南西北のライブに近い録音でしたね。
そして、このレコーディングから、ギターの加納順が参加してます。10年ぶりぐらいでの再会です。2つ年下の加納の参加で、より和やかな、言ってみれば、当時の合宿風景みたいな空気感を思い出しました。
曲によっては、モーメント・ストリングカルテットの皆さんによる弦楽四重奏が入ったり、僕が一人で、ギターを弾きながらそのまま歌ったものがあったり、とにかく、生な感じといいますか、活き活きした場面が、非常に多かったと思います。


---久保田さんにとって「The東南西北」とはどんな存在ですか。

久保田:高校生の時に作ったバンドですし、高校生の時にオーディションでグランプリを獲得して卒業と同時に上京しデビューしたので、そのころのキラキラしたところがぎっしりつまってる宝箱のようなものでもありますね。
若くて怖いもの知らずな僕たちの部分に、当時、出会った沢山の方々のお力もあって、より密度の濃いものになった気もします。例えば、作詞の松本隆さん、作曲やアレンジでは、南佳孝さん、白井良明さん、中崎英也さん、戸田誠司さん、新田一郎さん、NoBodyのお二人、一枚目のアルバム「飛行少年」での音楽も、それからデザインなどのイメージも、今でも、ずっと影響受け続けてると思います。


---アルバムリリースの後は2daysのライブですね。その後の予定はいかがですか?

久保田:5月25日(金)東京西荻窪「Terra」にソロで出演。
Th東南西北の多くのアレンジや「木枯らしの少女」「Misty Lola」では曲の共作もしてくださった安倍隆雄さんと、「君の名前を呼びたい」のアレンジの村松邦男さんのバンドROMAとの対バンになると思います。面白いご縁です。
6月3日(日)新宿ミノトール2にソロで出演。
ミノトール2は、僕が定期的にソロライブをしているライブハウスです。そこの音響をいつも担当してくださってる横山学さんのバンドのライブに参加する形です。
6月15日(金)東京世田谷のギャラリーカフェ「現代ハイツ」にて、伊藤銀次さんと、画家の小峰倫明さんと僕とで、音楽と絵画のコラボイベントを開催します。
そのあとも、少しずつ決まってきていますが、僕のブログ「今日の出来心」やfacebook、twitterなどで、随時、お知らせしていきます。


---このWEBマガジンでは、「Cheer Up!」な曲をお伺いしています。
久保田さんにとって「Cheer Up!」な曲は?
The東南西北の曲と、久保田さんのお好きなアーティストの曲を1曲ずつ教えて下さい。

久保田:The東南西北では、「Shadow Dancing」
ジョン・レノン「(Just like)Starting Over」


---どうもありがとうございました。
今回、久保田さんには連載エッセイ「花咲く随筆」を寄稿して頂きましたので、読者の方にぜひThe東南西北誕生秘話を楽しんで頂きたいと思います。近日公開予定です。



The東南西北『re-flight』
発売日:2012年05月09日
レーベル:アミューズ
規格品番:WGCA-3010

1.駅前映画館
2.ため息のマイナーコード
3.星がっちゃうねジャマイカ
4.内心、Thank You
5.Jの後悔
6.Shadow Dancing
7.マリオネットの涙
8.不思議な小鳥
9.君の名前を呼びたい
10.木枯らしの少女-BAD GIRL But Girl
11.花咲く歌







The東南西北(ザ トンナンシャーペイ)プロフィール

久保田洋司(Vocal & Guitar)
大池茂文(Drum)
清水伸吾(Bass)
入船陽介(Keyboards)
加納順(Guitar)

1983 久保田、大池、清水によりThe東南西北結成
1984 入船、加納、バンドに加入
   CBS・ソニーCR-X SDオーディションでグランプリ
1985 12インチシングル「ため息のマイナーコード」でCBS・ソニーよりデビュー
1986 1stアルバム「飛行少年」
   2ndアルバム「深呼吸」
1987 3rdアルバム「好奇心」
1988 4thアルバム「感情〜SENSITIVITY〜」
1990 5thアルバム「緑の国」
1991 The東南西北 解散

2008 尾道のジャズ喫茶「ANDY」30周年パーティーで演奏(久保田、大池、清水)
2009 再建された尾道の映画館「シネマ尾道」への応援ソング「駅前映画館」を制作(久保田、大池、清水)
   それをきっかけに、2010年にかけて、尾道、大阪、熊本で、ライブを行う(久保田、大池、清水)
2011 新作のレコーディング(久保田、大池、清水、加納)
2012 神戸でライブ(久保田、大池、清水)
2012.5.9 ニューアルバム「re-flight」発表

入船陽介は、映像クリエーターとして多忙な毎日を未だもがきながら活動中。

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久保田洋司(くぼたようじ)プロフィール

1966.10.28生まれ。
1985年、バンドThe東南西北でデビュー。
1992年より、ソロ活動。
2012年、The東南西北、ニューリリース。

作品提供:松田聖子、K・Chaps、ribbon、永作博美、久川綾、楠木あや、上戸彩、松浦亜弥、安倍なつみ、メロン記念日、坂本真綾、広末涼子、Miz、COLOR、SMAP、KinKi Kids、堂本光一、トラジハイジ、NEWS、嵐、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey! Say! JUMP、シン・ヘソン、リュ・シウォン、FT ISLAND、鈴木雅之、岩田雅之、林田健司、藤井フミヤ、キャプテンストライダム、ブレッド&バター、Rain(ピ)、中河内雅貴、etc...







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