日本の音楽シーンを支える凄腕のミュージシャンたちで結成されたバンド Periguns(ペリガンズ)。
結成10周年で1stアルバム『FLYING PERIGUNS』をリリース。自分たちの好きな音楽をとことんやるよ!という楽しさがストレートに伝わってきて、何度も聴きたくなる曲ばかり。この夏のお供にピッタリです。
Perigunsの魅力、アルバムの曲たちの魅力、メンバーの魅力について、ギタリストの竹中俊二さんにお伺いしました。(2019年8月)




---Periguns結成10周年にして初アルバムリリース、おめでとうございます!
今回、アルバムを出すことになった経緯について教えて頂けますか?


竹中:実はCDを作ろうって話は5年くらい前からメンバーからも出てたんですね。
で、去年の頭に曲も沢山あるしそろそろ作ろうか?って事になったんですが、皆さん忙しいんで気がついたら年末になってた(笑)。
これは取り敢えずスタジオ押さえて音を取ってしまわないと進まないと思ったので、メンバーとスタジオを押さえてレーベルやら諸々の段取りをやりました。
滑り出してしまえばあっという間でしたね(笑)。

---Perigunsというバンド名ですが、ペリカンのことなのかな?と思い調べてみたらスペルが違っていて。由来を教えて頂けますか?

竹中:2008年頃にセッション的に始めて最初は「竹中俊二オールスターズ」なんて訳の分からない名前でやってたんですが、ちゃんと名前付けたくなって、よく出演してた荻窪ルースターのオーナー、佐藤さん(前職コピーライター)に相談したらPerigunsってのはどうか?って答えが返って来ました。

Periguns?

ペリカンとガンを掛けた造語なんですね、ペリカンの可愛さと鉄砲のちょっとヤンチャな感じがバンドにイメージにピッタリなので採用して今に至ります。

---そうだったんですね!勢いのあるサウンドにピッタリのバンド名ですね。
様々なバックグラウンドを持ち第一線で活躍するミュージシャンが集まったバンド「Periguns」ですが、全員で集まるとどんな雰囲気になるのですか?


竹中:メンバーそれぞれが自立してると言うかマイペースなので一緒に行動してても変に気を使わないし気が楽ですね、気の流れが合うのかな?

---竹中さんから、メンバーの皆さんそれぞれのお人柄をご紹介頂けますか?

竹中:ドラマー高田真は20歳過ぎ位からの付き合いで、業界でも1番古い友人の1人。
最初はドラマー佐野康夫に紹介されたんだと思う。
出会った当時からスティーブジョーダンやオマーハキムなどが好きで、スタイリッシュで実に趣味のいいサウンドのドラマーだった。
RnBライクなサウンドの良さ、グルーヴ、国内を代表するドラマーと思う、兎に角聴いてて気持ちいい。
一緒に演奏してなかった時期も街でバッタリ会う事があまりにも多かったのは理由があったのかも知れない、運命なのか?(笑)実にナチュラルと言うか天然なキャラは皆んなに愛されてると思う。

ピアノ、キーボード草間信一は最初はボサノバセッションで知り合った。多分お互いにブラジリアン専門と思ってたかも知れない(笑)。
その後ソウル系のサポートライブで一緒になって「ボサノバ専門じゃ無かったんだ!」と認識。
グルーヴィでセンスの良いサウンドとプレイですっかりファンになってしまった。
好きな音楽のテイストも似てるのかそれ以来様々な現場で沢山一緒に演奏してる。
一見不機嫌そうに見えるんだけど実は特に意味は無くて、とても優しい男で音楽愛に溢れてます。

ベーシスト立川智也は何のセッションで会ったか覚えてないけど気がついたらマルチプレイヤーの松井昭彦のJunkyFunkってアカデミックで変態なバンドを一緒に2年ほどやってた(笑)。
兎に角マシーンの様にタイトでムチっとしたベースらしいサウンド、グルーヴ、フィーリング、正にベースを弾く為に生まれて来たような体型?笑
その他にサウンドクリエイター、サウンドプロデューサーの側面も持つ才人。
身体が弱いのか良くお腹を壊してる印象(笑)。
ちょっとシュールな言動が逆に現場のムードを和ませると言う、才能と思う。

パーカッション、クリストファー・ハーディは最初は立川の紹介でライブに観に来てくれて知り合った。
一般的にパーカッションって言うとキューバ系とかブラジル系とかに分かれると思うんだけど、クリスはもっと幅広くて中近東、アフリカ、ヨーロッパ、それこそ世界中の打楽器を使う正に世界平和の様なパーカッショニストだと思う。
バンドにより深いグルーヴポケットを提供してくれ、様々な色彩を与え、ユーモアも加え、グルーヴィなオリジナルも提供してくれている。
日本在住も長いんだけど、メールも日本語でやり取り出来てます。とても綺麗な日本語で会話も楽しいし、陽気なナイスガイ。自身でもバンドをやってるからか僕の大変さを理解しててとても助けて貰ってる。

---素敵な方々ばかりですね。ますますライブに伺いたくなります。
Perigunsの10年を振り返ってみて、いまどのようなことを感じますか?


竹中:あっと言う間の10年でした(笑)。
メンバー皆んな向上心があって、音楽愛もあって、様々な経験もしてて、でもストイック過ぎずちゃんと楽しみながら成長してると思うんです。
なので結成当初よりずっと成熟したサウンドと力強さを出せるバンドに成ってると思います。

---今回のアルバムの制作期間はどのぐらいかかりましたか?
印象的なエピソードがあれば教えて頂きたいです。


竹中:リズム録りはメンバー集まって2日間で録りました。
1日に5曲づつレコーディングしたんですが、プレイヤーとして職人集団ですから流石のクオリティと思います。
ダビングはデータを持ち帰って其々自宅スタジオでレコーディングして、それを別のメンバーに回して行くと言う、現代的ですね(笑)。

ミックスダウンとマスタリング作業はとても信頼してるエンジニアのニラジカ ジャンチに頼みました。メンバーの細かいリクエストに答えつつ新たなアイデアも盛り込んでくれてとてもいいサウンドになりました。


---ここからは、曲をピックアップしてお伺いします。

◆1. FLYING PERIGUNS
---この曲はまさにPERIGUNSのテーマのような曲ですね。アルバム最初からウキウキのナンバーで、メンバーの皆さんが楽しんで演奏していることが伝わってきます。
ライブでも盛り上がるでしょうね。オルガンソロもかっこいいなあ。


竹中:ありがとうこざいます。レコーディングに際してPerigunsの為の曲作りをしてたらぴったりのファンキーチューンが天から降りて来たんです(笑)。
シンプルでダンサブルでブルージー、今回のアルバムの為に書き下ろした新曲。
飛べ!ペリガンズ!ってイメージです。

◆4. NIGHTHAWK
---美しくて切ない曲ですよね。竹中さんのギター、立川智也さんのベース、皆さんの聴かせどころも多くて、ただただうっとりします。

竹中:これはキーボード草間信一の曲です、とても美しくムーディーな雰囲気も好きな曲です。

本人のコメント「タイトルは好きなEdward Hopperの作品にちなみました。米津玄師さんに先を越されていたので単数形に。」

---「BEN’S THEME」や「SULTRY NIGHT SOIREE」「TOO MUCH OF A GOOD THING」を聴いた時にも感じたのですが、皆さんの大人の哀愁が滲み出て、高度なテクニックとあいまってリスナーの胸を打つ演奏になるんだなあと痛感しました。

竹中:ありがとうございます、無駄に長くやってなかったって事でしょう(笑)。
良く言われる事ですが、その人柄と経験が音に宿るんだと思いますね。

◆6. SUCH A JERK
---ロックナンバーで、ディストーションギターとプログレなオルガンが超クール!スカッとするかっこ良さ。
Perigunsはほんとにリスナーを飽きさせないですね。


竹中:これはベーシスト立川智也の曲で、曲のコメント貰ってます。

「あんた最低ね」って女性から言われる言葉。そして、多くの男性に当てはまる言葉。「でも、俺はこれしか出来ないんだよ」っていう不器用な言い訳を曲にしました。人生経験が豊富なメンバーだからこその、重みのあるロックになりました。

との事です(笑)。

◆7. DANCE OF DARKNESS
---変拍子なのでしょうか。ちょっと不思議な曲ですね。
皆さんのユニゾンもかっこいいし、なんとなく懐かしさもあるような・・・うまく言えませんが、実際に聴いたリスナーそれぞれで感じることも様々なのでしょうね。


竹中:これは僕の曲です。
暗闇でダンス、様々な感触と障害物、そんな緊張感を表現しようと思ったらこんな曲に。
アルバムの中では最もコンテンポラリーなハーモニーが散りばめられていると思います、今回のアルバムの為に書き下ろした問題作です。

◆9. THE MAGICIAN AT THE ROOSTER CLUB
---シンセの音色が可愛らしい感じで、楽しくて、ポップで、カラフルな曲と感じます。
心が浮き立つ曲。そして、自分が70年代、80年代のフュージョンを純粋に楽しんでいたころの気持ちを思い出しました。


竹中:これはキーボードの草間信一の曲です、演奏してても何故か懐かしい感じがして楽しい気分になります。

本人のコメント:「サテライトシティOgikubo、粋な音楽溢れる雄鶏倶楽部では、支配人による魅惑のマジックショーが夜な夜な繰り広げられています・・」


---ここからは、竹中さん個人のお話をお伺いしたいです。
7歳からピアノ、10歳からギターを始められたとのことですが、学生時代は主にどんな音楽を聴いていらっしゃったのですか?


竹中:最初に習ったピアノは所謂お稽古的なクラシックでした。その次に始めたギターは最初はビートルズからですね。
当時、家がジャズ喫茶やっててレコードが1500枚ほどあったんです。
半分はジャズ、後の半分はブルース、ロック、R&Bなどでした。
なので子供の頃からポピュラーミュージックが体に刷り込まれてるんだと思います(笑)。

兄貴がヤマハの88ロックデーってコンテストでギタリスト賞を取るくらいロック、ブルースギターがとても上手くて、その影響がかなりあると思います。

---ギタリスト、作曲、アレンジ、サウンドプロデューサー、サウンドクリエイターとして大活躍の竹中さん。年間のライブ数とレコーディング数も膨大でご多忙ですよね。健康の秘訣について伺えますか?

竹中:そうですね、僕はショートスリーパーで3,4時間しか寝れないんですね(笑)。
その代わりと言うか、どこでも寝れるので10分でも時間あると仮眠しちゃいます。仮眠が健康の秘訣と思います、多分(笑)。

---このWEBマガジンの恒例企画です。
竹中さんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?


竹中:これは色々あるんですが、あえて3枚に絞ります。

『One Man Dog』ジェイムステイラー


『I.O.U』アランホールズワース


『White Trash』エドガーウインター



---今後の展望と夢について伺えますか?
「Periguns」として、竹中さん個人として 両方お伺いできると嬉しいです。


竹中:僕の活動としては演奏も作編曲もプロデュースも、より良い音楽を作り続けて皆さんに提供して楽しんで頂く、それが世界平和に繋がると思ってます。あとオリジナルを沢山書いてるので作品集的にアルバムを何らかのフォーマットで出したいと思ってます。

Perigunsは今回のアルバムのリリースツアーなども各地でやりつつ、1stを作ったばかりですが頑張って売って2作目も出したいですね。

---どうもありがとうございました!Perigunsの2nd、竹中さんのアルバム、いずれも楽しみにしております。







『FLYING PERIGUNS』Periguns

1. FLYING PERIGUNS
2. BEN’S THEME
3. SULTRY NIGHT SOIREE
4. NIGHTHAWK
5. ON THE CUSP
6. SUCH A JERK
7. DANCE OF DARKNESS
8. TOO MUCH OF A GOOD THING
9. THE MAGICIAN AT THE ROOSTER CLUB
10. THE MORNING AFTER

発売日:2019/08/07
レーベル: FAIRPLAY RECORDS Inc.
規格品番:FPCD-1009

PERIGUNS are:



■竹中俊二 (G)/7才からピアノ、10 才からギターを始める。ポップス、R&B、ジャズ、ロック、ワールドミュージックなどジャンルレス・ミュージシャン。ギラ・ジルカ、高田なみ、平井堅、ゴスペラーズ、八神純子等と、レコーディング、作・編曲、サウンド・プロデュースを手がける音楽の魔術師。



■立川智也 (Ba)/久石譲、森公美子など多くの作品に参加し、2000年「Junky Funk」でアルバム・デビュー後は、長きに渡るキリンジのサポートを経て、斉藤由貴、一路真輝等、多数のアーティストのサポート・サウンドプロデュースのほか、映画や舞台の音楽も務める信頼の音楽創作家。



■草間信一(Pf , Key)/古内東子、ケミストリー、JUJUのライブサポートをはじめ、多くのアーティ ストのライブ、レコーディングに参加。また、超クールなビートを繰り出す「PRISMATICA」のメンバーとして6 枚のアルバムをリリースする。CMの作・編曲も手掛ける熱き音楽職人。



■高田真(Ds)/中学の時にブラスバンド部でパーカッションを始めたのがきっかけでドラムの道へ。平井堅、Crystal K、Skoop On Somebody、BoA、mihimaru GT、中島美嘉、Misia、坂本龍一、Little Glee Monster、コブクロ等、あらゆるシーンで活躍する売れっ子グルーヴ・メイカー。



■Christopher Hardy (Percussion) /アメリカ出身。STING、吉井和哉、AI、UA、渡辺香津美、山下洋輔、本田美奈子、ORIGA などと共演し、ジャンル不問の活動で知られる。洗足学園大学客員教授。シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」のミュージシャンとしても知られる音楽空間創造主。




◆竹中俊二 プロフィール:

竹中俊二(たけなか しゅんじ)(ギタリスト、アレンジャー、コンポーザー、サウンドプロデューサー、サウンドクリエイター、エンジニア)

7才からピアノを、10才からギターを始める。
ポップス、R&B、ジャズ、ロック、ワールドミュージックなどジャンル差別無しのミュージシャン。
自己のバンドtiron、Periguns、BiG TriCksの他、与太郎夜奏団、FretLand 、triangle max tone、PIGNOSE、風雅、など、多くのユニットに参加。
2004年〜2013年まで女優、脚本家の高泉淳子の舞台「ア・ラ・カルト_役者と音楽家のいるレストラン」にレギュラー出演。

サウンドプロデュース:原久美、河原秀夫、野宮真貴、TOYONO、Geila Zilkha、ばんばひろふみ、斉藤由貴 等
レコーディング:平井堅/ゴスペラーズ/中島美嘉/斉藤由貴/和田アキ子/松崎しげる/中森明菜/ばんばひろふみ/八神純子/森昌子/高橋真梨子/モーニング娘/東儀秀樹/中西俊博 等多数
コンサートツアーサポート、CM製作、TVドラマ音楽(「私立探偵濱マイク」)、ゲーム音楽、インストラクションDVDやBOOKなど活動は多岐に渡る。


Periguns Facebookページ
https://www.facebook.com/Periguns-128338733921569/

竹中俊二 ブログ
https://ameblo.jp/hanazo555/
竹中俊二 Facebook
https://www.facebook.com/shunji.takenaka
竹中俊二 Twitter
https://twitter.com/shunjitakenaka

立川智也 Official Website
https://www.tthome.jp/
立川智也 Twitter
https://twitter.com/TachikawaTomoya

Christopher Hardy Official Website
http://christopherhardymusic.com/

<Cheer Up!関連リンク>
特集 Selim Slive Elementz 「私の好きなマイルス」寄稿
http://www.cheerup777.com/sse2019/selim2019-6.html#section10


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