名古屋を拠点に活動するインディーポップレーベルGalaxy Train。
1997年12月に一回目のイベントを行い、1998年6月にレーベル第一弾としてRed Go-Cartの7インチをリリース。その後、800 Cherries、Bitter Cherry Jamの作品やコンピレーションをリリースするなど話題を呼んだ。
今も遊び心あふれるデザインと共に良質なインディーポップ作品をリリースし続けている。
今回はレーベルオーナーのumekiさんにお話を伺った。(2016年3月)




---Galaxy Trainは息長く活動されていますよね。もうすぐ何周年になるのでしょうか?


umeki:最初のリリースであるRed Go-Cartからは18年になります。


---そもそもumekiさんがレーベルを始めたきっかけは?


umeki:現在File-Under Recordsを経営されている山田さんのイベントなどに行ってるうちに自分も出来ないかと思ったのと、当時通っていたレコード店Railで800 Cherriesと出会い自分でもリリースできたらいいなあということで、うまくイベントとレーベルを融合するみたいな、どちらもメインな感じで出来ないかと思っていました。
それで1997年にイベントをスタートさせて翌年レーベルをスタートさせました。


---Galaxy Trainという名前の由来について教えて下さい。


umeki:Galaxy Trainという名前は夢のある名前だと思ったのと、銀河のお花畑というコンセプトとリンクするところがあったので。



---レーベルを始められた当初はカセットや7インチでのリリースがメイン、その後しばらくCDでのリリースが多かったようですが、ここ最近またカセットアルバムをリリースしているのですね。
カセットと同時にデジタル配信もしているところに、アナログの良さと時代のニーズへの対応、両方とも大事にする姿勢を感じています。



umeki:自分がその時々リリースしたい形を取ってきました。 レーベルをはじめた頃は時代にも恵まれてアナログがとても求められていましたし、もっとみんなに気軽に聴いてもらえるように全国流通させるCDのリリースへとシフトしました。

時は過ぎて最近はカセットですね。
これは自分が限られたお小遣いのなかでフィジカルなのが欲しいとなったときにレコードの売価がどんどん上がっていって気軽に購入できなくなったとき、海外のカセットレーベルといくつか出会いました。
アメリカのレーベルだと5〜6ドルで売られているんですよ。
1万円でどれだけ購入できるかというと、おおよそCD4枚、LP2枚、カセット18本なんです。
それでまたカセットへの希望が見えた感じです。
流通できないけどカセットということでいいかなあということでカセットリリースの再開をしました。
流通させたければ自分で簡単にCD作れる時代ですし。
デジタル配信やダウンロードコードについてについては、好きなスタイルで聴いてもらえればいいですということです。


---Galaxy Trainは色付きのレコード、可愛いイラストをあしらったデザインなど、以前からデザインも素敵で話題になっていましたね。


umeki:色つきレコードは、またレコードのリリースすることがあれば作りたいですね。
大赤字になりそうですけど。
全体的なデザインは自分が好きだったレーベルHeaven Records (Fat Tulips等の作品をリリース)の作品をモチーフにしています。
そのままではないですけど、お花畑とか、シールとか。
精神を勝手に受け継いだと思っています。
洗練された可愛さより素朴な可愛さで表現したいと思っています。


---最近のGalaxy Trainいちおしアーティストを教えて下さい。


umeki:結局全部なんですが、昨年リリースだと、生活感溢れる「遠藤剛と既視感」、世界中から注目されるDiy-Pop-Master「Boys Age」、プライベートなキュートフォーク「レンゲ」、まだ15才のJustinによるDreampop「High Sunn」。
そして、Galaxy Train初期段階から関わってくれている夫婦バンド二つ「Bitter Cherry Jam」「Red Go-Cart」、スタイルもばらばらなんですが、みんな素晴らしいです。


---レーベルを長く続ける中で嬉しかったことはどんなことですか?


umeki:リリースすると反応があると嬉しいですね。わざわざお手紙をくれる方とかも居て。
最近リリースしているカセットテープは小ロット生産ですし、小さなインディーレーベルなので、たいして宣伝にもならないのにリリースしたいというアーティストの方とか嬉しいですね。


---umekiさんはいつ頃から音楽を聴くようになったのですか。
どんなアーティストを聴いて育ったのでしょう?



umeki:小学生の頃だとラジオばっかりなんですけど、ニューミュージックですかね。
そのまま小学生の頃はビートルズとかビーチボーイズとかカーペンターズとか、ラジオ聴いてていいなと。中学に入ると本格的にエアチェックやレンタルレコードで当時の洋楽ヒットとか古いロックも聴くようになりました。
そんな中、高校生の時お気に入りだったのがストロベリー・スウィッチブレイドだったんです。
まだ当時はPastelsとかのアノラックもPostcard Recordsも知らなかったので、後々つながりを知ってわーってなりました。


---このマガジン恒例の質問です。
umekiさんにとってのCheer Up!ミュージックを教えて頂けますか?



umeki:The Mantles 「All Odds End」
http://www.slumberlandrecords.com/catalog/show/288

自分の場合元気が出るのは新しいCDやらレコードやらカセット買って聴くことなので、新譜が一番です。
昨年10月リリースですが今年購入したこれはオーストラリアのバンドで2010年代中期まさに今の音なんです。
今の音というのは自分が今求めてる音ということなんですけど。



---Galaxy Trainの今後の展望を教えて下さい。


umeki:小ロット生産を今後も推し進めてリリース数を増やしていきたいです。年間20タイトルくらいが理想かな。
見つけてくれないと見つからないレーベルですので、みつけてください!という感じでやっていきたいです。



---貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。



【編集後記】
Galaxy Trainを知ったばかりの頃、カセットのコンピを聴いてワクワクした気持ちになっていたことがつい昨日のことのように思い出されます。
ノスタルジックなイラストをあしらったWEBを訪問すると、なんだかホッとするんですよね。それはumekiさんのお人柄にも通じるものがあり、これからもご自身のペースでずっと続けてほしいレーベルです。






♪Galaxy Train ヒストリー

1997年イベント「Galaxy Train」スタート
ー2004年までの7年間で28回のイベントを行う。
Boyracerをはじめ、Dear Nora、Mirah、Ashtray Boy、香港のPancakesなど多数のゲストが出演。
2015年12月には11年ぶりにイベントを行った。

1998年レーベル「Galaxy Train」 スタート
ー2016年3月現時点で38作品リリース。2013年からはカセットテープを14作品リリース。


Galaxy Train
http://Galaxytrain.Music.Coocan.Jp

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https://Galaxytrain.Bandcamp.Com

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♪最新information

4月にレンゲの2本目のカセットテープ「海風を横目に」発売予定です。
試聴はこちらで出来ます。





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