インストの楽しさ、心地良さを伝えてくれる人気フュージョンバンドNF4が久しぶりのアルバム『Now & Then』をリリースしました。ますますバラエティに富んだ楽曲揃いで、なんと2枚組というボリュームが嬉しい限り!このアルバムの制作秘話や曲ごとの解説など、リーダーの日野林晋さんにお伺いしました。
また、メンバーの皆さんからアルバムリリースにあたりコメントを頂きました。
ぜひじっくりお楽しみ下さい。(2021年10月)

インタビュー コメント


---2019年以来のアルバムリリースですが、アルバム制作のきっかけについて伺えますか?

日野林:アルバム制作の一番大きなきっかけは2019年にドラマーが西村悟志から黒田慎一郎に代わった事です。
西村脱退は致し方ない事情だったので(揉め事とかではないですよ)、後任の黒田氏との作品を早く作りたかった事が大きいです。

---今回は2枚組ということで、聴きごたえ抜群ですね!2枚組になった経緯について教えて頂けますか。

日野林:当初はそうするつもりはなかったのですが、2020年のコロナ禍で曲をたくさん制作出来た事。
そしてCDと言う媒体でリリースする事のメリットも今後不透明と感じ、持っているものを全て出してしまおうという想いで2枚組となりました。
単純にレコード時代の人間として2枚組に対する憧れもあったのですが(笑)。

---タイトル『Now & Then』に込めた想いはいかがですか?

日野林:やはりコロナ禍で時代が分断された想いがあって。
時代の変化を(インストバンド)ですが表現したいと想い、このタイトルになりました。

---NF4は2011年に結成されたとのこと。10年たってバンドにはどんな変化がありましたか?
メンバーとの仲とか10年を振り返っての思いなどはいかがですか?


日野林:気付けば10年経っておりました。
世の中にはもっと長いキャリアのバンドもあるかと思いますが、メンバー個々の成長を強く感じます。
「NF4」というバンドへ真摯に取り組んでくれる姿勢にはいつも感謝してます。

10年前の結成当初はこのバンドで日本全国でライブを行うとは思っておりませんでした。
各地で歓迎していただけるようになった事は本当に嬉しいですし、来年からはまたツアーも積極的に行いたいですね。
喧嘩と言えば…ツアー行った際に何を食べるかで少々意見が分かれる場合があるくらいですね(笑)。

---Disk1と2で、分けた部分などありますか?
Disk1は聴きやすい曲、親しみやすい曲が多く、Disk2は大人っぽい曲、少し実験的な曲が多い印象を持ちました。


日野林:そうですね。いざ2枚組となってみたら曲順に関してはかなり悩みました。
Disk1はコロナ禍で作った曲がほとんどとなっていて聴きやすい曲が多いように感じます。
Disk2に関しては後述しますがストーリー性のある曲順にしています。

---ここからは1曲ずつお伺いします。

Disc1
1-1 Sequel

---1曲目から「NF4の魅力が炸裂!!」とテンション上がりました。切ないメロディーのラテン。スリリングで抜群のアンサンブルワーク!ライブでも盛り上がるでしょうね。

日野林:ライブでも、今回の作品でも「核」になる曲だと思ってます。
アルバムを作る際、この曲があれば大丈夫と思えるような曲が各アルバムにあります。
今回はこの曲ですね。
ちなみに、Sequel=続編と言う意味です。
まだまだ続編を続けて行こうという決意表明曲です。

1-2 Old Scenery
---寂しげなワルツ。美しいメロディに癒されます。

日野林:今までのNF4にはなかったタイプの曲かな??
コロナ禍で時代が分断されてしまったように感じますが、記憶の中に残り続けるOld Scenery(懐かしい風景)は忘れずに持ち続けたい、伝えて行きたいという想いの曲です。

1-3 Before The Lights Went Out
---複雑そうな構成ですが、そこはNF4ならではのアンサンブルで爽やかに聴かせてるところが素敵でした。
ドラムのシンバルワークが繊細で、ベースの見せ場もあったりして、エレピも綺麗で、日野林さんのサックスものびやかなメロディーが心地良くて。ほんといい曲!


日野林:有難うございます。
ライブシーンはじめ暗澹として時間がありましたが灯りを絶やす事なく前向きに生きて行こうというイメージで作りました。
ちょっと捻くれた?曲ですがサビのメロディーは力強く明るい感じにしてみました。
イントロとエンディングのユニゾンにメンバーは少々苦労したようですが(苦笑)。

1-4 Wellstone
---ベースがメロディーをとるのがかっこいいですね。サックスの伸びやかなメロディ、FUSION全盛期を思わせるような素敵な曲。

日野林:ベースの石井圭をフューチャーした曲を書いてみたくて作った曲です。
石井は音楽的にとても信頼している仲間ですが、普段の石井は大らかでのんびりした人柄です。
そんな雰囲気を出せる曲になった…かな??

1-5 Misty Rain
---メンバーの皆さん、さすがベテラン、繊細な表現が素晴らしいですね。
Bossaのリズムが心地よく、ピアノが雨降る日の肌寒さを感じさせます。


日野林:先代のドラマー西村悟志が本当に雨男でして…。降水確率0%の日でも雨を降らせちゃうような。
とあるライブの日、晴天だったのにライブが始まったら雨が。
そんな彼に捧げた?そしてピアノの小畑智史の叙情的な側面も存分に聴いてもらいたくて書いた曲です。

1-6 Princess In Self Isolation
---タイトルが可愛らしいですね。サックスの哀愁あるメロディに物語を感じます。

日野林:曲名は悩みましたね。英語に明るくないので翻訳家の友人にイメージを伝えてこのタイトルとなりました。
直訳すると「自粛姫」。
昨年の自粛期間会いたくても会えないという状況になった方はたくさんいると思います。
おどろおどろしい?混沌とした?前半部分のメロディーですがサビになってシンプルで明るいメロディになります。
明るい未来を信じましょうというメッセージを込めてみました。

1-7 Trick Picture
---個人的にとても好みな曲です!ポップで楽しく親しみやすいですね。
仕掛けが多く、まさにTrick Picture。

日野林:子供の頃実家にあった本でエッシャーのTrick Pictureの本がお気に入りでした。
ふと、そんな騙し絵のような曲を作れないかなっと思いたちまして。
あと、メンバーの困った顔がみたくて(笑)。

1-8 Sky Clear
---ブルージィで渋い曲。サックスとピアノの掛け合いが楽しく会話してるようで素敵です。もっと聴きたいと思ったらあっという間に終わってしまいました(笑)。

日野林:この曲はライブではアンコールに演奏する事が多いです。
続きは是非ライブ会場でお聴きください(笑)。

Disc2
2-1 Prophecy

---ドラマティックですね。そしていろんなリズムに変わるところも聴きどころと感じます。難しそうな曲。Liveで聴いてみたいです。

日野林:NF4を結成してから数年間は頑なに4beatの曲をやらないでいたのですが。2枚目のCDをリリースする頃にもう良いかな?って思った瞬間がありまして。その頃に書いた曲です。
どんなリズムフィギアで演奏しても4人の音が揺るがないバンドサウンドが出来たように思いまして。
それからはリズムとかに拘らず自由に曲作りが出来るようになりました。

2-2 5AM
---情熱的なイメージのアップテンポ、ラテン。アドリブが熱い!
タイトルを見ると「早朝から何があったのかな?」と思ってしまいました(笑)。


日野林:これは必要に迫られて朝早起きして書いたのですが。イメージとしては深夜5時ですね。
若い頃、朝まで遊んでも全く疲れなかったなんて事ありませんか?
70年代のジャズロックのようなパワー溢れるイメージで作りました。

2-3 Paradise
---今回のアルバムでは、小畑智史さんのオルガンの魅力も堪能できる曲ですね。
美しいサックスのメロディが壮大で、ゆったりした気持ちになれます。


日野林:この曲は「Paradise」というタイトルがありきで作った曲です。理由はちょっと言えないのですが。
Paradise行ってみたいですね。

2-4 Cute
---とても好みな曲です!リズムパターンがよく変わる、明るいメロディー、遊び心あるエレピのアドリブや、わざと音程狂わせたユニゾンなど聴き飽きさせないですね。

日野林:メンバーからはこの曲のどこが「Cute」なんだと言われております。
歳を重ねてくると色々なものが愛おしくなってきます。僕はこの曲が出来た瞬間にタイトルは「Cute」って即決出来たのですが。
音程を狂わせたユニゾン(笑)。実はピアノの小畑がトランペットを持っているという情報を聞き、(本人は吹けるとは一言も言ってないのですが)トランペットを吹いてもらいました。
上手く吹かれても面白くないので本人には事前練習禁止と言い渡しました。お陰様で1テイクでイメージ通りのプレーをしてもらえました(笑)。

2-5 Appreciation
---美しい曲でホッとします。おおらかで温かさを感じるメロディ、ピアノも美しくて。
「感謝」という意味のタイトルに想像もふくらみますね。

日野林:有難うございます。
3年前に他界した父へ捧げた曲です。
タイトル通り「感謝」の気持ちを、充分ではないですが表してみました。

2-6 New World(ParadeU)
---サックスの音色にエフェクトがかかっているのでしょうか。
バッキングのキーボードのエフェクトといい、凝っていますね。(ParadeU) とは?


日野林:Soprano Saxにコーラスをかけました。ウーリッツァー(エレピ)はワウペダルを使用してます。
前作(『Third Party』)に収録した「Parade」という曲があるのですが。それの続編として書いた曲です。
2020年から、まるで新しい世界になってしまったようにも感じますが。
これからも色々な人たちと関わって歩んでいきたいな…などと考えて作りました。

2-7 Move On
---堀江有希子さんがゲストで日野林さんと共演しているのですね。掛け合いが素敵です。
バックのリズム隊もかっこいいし、ライブで聴きたいです。


日野林:ゲストの堀江有希子(アルトサックス)との出会いは結構昔なのですが、対バンイベントで出会いまして。
彼女のカッコいいサックスを聴いてすぐ共演をお願いしました。
その後、しばらく時間が空いたのですがこの曲を収録したいと思い声をかけました。
彼女のサックスとバンドサウンドを存分に堪能してください。

2-8 Old Scenery(Reprise)
---Disk1に入っている曲のリプライズですね。

日野林:前奏はあえて昔の音の悪いラジオのようなサウンドにしてみました。
このテイクではちょっと古い(懐かしい)サウンドにしようと1枚目に収録したバージョンからキーも変えました。
サウンドも変化を持たせたくてサックス本体、マウスピースも変えてみました。
ベースもウッドベースですね。小畑も鍵盤ハーモニカとオルガンを使用。
黒田も大きなサイズのハイハットを使用し合わせシンバルのような効果を演出しノスタルジックなサウンドに仕上げてみました。

Disc2に関してはこじつけ?もありますがこんな(浦島太郎的な)ストーリーを考えて曲順決めました。

予言(Prophecy)めいた夢を見て目覚めた。
午前5時(5AM)。
気付けば楽園(Paradise)へ到着。
そこにはとても可愛い(Cute)お姫様が。
しかし時間が来て楽しい時間に感謝(Appreciation)しつつ現世へ。
しかし戻った先は新しい世の中(New World)
戸惑いつつも新たな道を歩もう(Move On)と決意。
しかしながら時折思い出すのは過去の憧憬(Old Scenery-Reprise)

一人でも多くの皆様に楽しんで頂ければ嬉しいです。

---コロナ禍で音楽活動に変化があった方がとても多いと思います。
日野林さんご自身や、NF4についてはいかがですか?この時期を過ごしてのお考えを教えて頂けますでしょうか。


日野林:コロナ禍は前述の通り多くのデメリットもありましたし、実際数多くのライブが中止になりました。
しかしながらこうして作品を出せるくらいの曲を書く時間を与えられた事もまた事実です。
実際に作品を作れた事は少々不謹慎な表現かも知れませんが色々と見直す良い?機会にもなりました。
茫洋とした自分の立ち位置を改めて見直し、自分がやりたい音楽に向きうことができました。
このような状況下、生き永らえている事に感謝する良い機会にもなりました。

---今後の展望、2022年の予定など教えて頂けますか?

日野林:来年は、ツアーをたくさん出来たら良いですね。
2021年も多少のツアーは実現出来ましたが、やはり積極的なブッキングは出来なかったので。
来年はここ2年行けてない場所へ伺いたいと強く思ってます。
そして、僕たちの音楽が少しでも救い…と言うとおこがましいですが、誰かの役に立っていると思えるような2022年を楽しみにしてます。

---どうもありがとうございました。ますますNF4の魅力を堪能できるこのアルバム、ぜひ多くの方に聴いて頂きたいです。




『Now & Then』NF4

Disc1
1-1 Sequel
1-2 Old Scenery
1-3 Before The Lights Went Out
1-4 Wellstone
1-5 Misty Rain
1-6 Princess In Self Isolation
1-7 Trick Picture
1-8 Sky Clear

Disc2
2-1 Prophecy
2-2 5AM
2-3 Paradise
2-4 Cute
2-5 Appreciation
2-6 New World(ParadeU)
2-7 Move On
2-8 Old Scenery(Reprise)

発売日:2021年10月29日
価格:3,300円(税込)
レーベル:BQ Records
商品番号:BQR-2081/BQR-2082

Member
日野林晋(Tenor&Soprano Sax)
小畑智史(Piano,Organ,EP,Trumpet,Percussions)
石井圭(Electric&Acoustic Bass,Percussions)
黒田慎一郎(Drums,Percussions)

ゲスト
堀江有希子(Alto Sax) on Disc2-7

【作品情報】
2019年加入のドラマー黒田慎一郎となってから初のアルバムはバラエティに富んだ2枚組。結成10周年を迎え、充実したアンサンブルを聴かせる。カルテット編成での演奏に拘った一枚。
ディスク2-7のみゲストで堀江有希子(Alto Sax)が参加。






【NF4 Profile】
日野林晋(Sax)小畑智史(Piano)石井圭(Bass)黒田慎一郎(Drums)
2011年、SAX日野林が様々な演奏活動を通じ信頼出来るミュージシャンと共に結成したフュージョンユニット。
アコースティックな編成によるメロディアスかつファンキーなオリジナル曲を中心にライブ活動を行う。 オリジナル以外にも個性的なアレンジによるカヴァー曲なども演奏。
2013年5月、9曲のオリジナルと2曲のカヴァー曲による1st CD「Views Of Peace」を発売。 2013年9月に渋谷Jz Bratにて弦楽四重奏との共演も果たし好評を博す。
2014年9月「Swing赤坂2014」10月「サウンドクルージングミナト」などのイベントへ出演。 2014年11月には秋田県羽後町にて開催された「第一回 UGO JAZZ FESTIVAL」の初日のトリを務める。
2015年10月「サウンドクルージングミナト」へ再出演。
2016年10月15日2nd CD「Wandering」リリース。 発売記念ライブを渋谷Jz Bratにて開催。 同年、関西ツアーも行い好評を博す。
2017年6月には単独では初となるホールコンサートを成功させる。
2017年9月東北3県4カ所でのツアー。
2018年3月西日本ツアー(名古屋、鳥取、岡山、大阪、岡山、静岡)
2018年6月2度目となるホールコンサート。
2018年9月東北ツアー(秋田、山形、福島、仙台、水戸)
2019年5月30日 3rd CD「Third Party」発売。
2020年1月 7日間に渡る西日本ツアー及び年間31本のライブを行う。
2021年 4枚目となるCDにして2枚組「Now & Then」リリース。

ツアー予定2021
10/29 新宿Music Bar Circle
11/9 渋谷JZ Brat ※NF4 Grande
11/11 京都RAG
11/12 滋賀Coltrane
11/13 名古屋DOXY
11/14 浜松analog.
11/26 八王子グランデセオ
12/23 赤坂Tonalite

NF4 Web Site
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◆日野林晋(ひのばやし すすむ)プロフィール:
高校時代より吹奏楽部にてサックスを開始。
ライブ活動を中心としながらアーティストサポート、スタジオ録音、テーマパークでのショー出演など多岐にわたる演奏活動を行う。
2011年よりリーダーバンド「NF4」を結成し2021年までに4枚のCDを発売し日本全国でライブを行う。
現在はNF4以外にも「たま〜ず」「林伸一郎(Ds)PICANTE」「中嶋ひろみ4」へのレギュラー参加およびCD録音などでも活動中。
ファンキーなプレイを信条とし数々のセッションに参加。

hinorinのブログ
https://ameblo.jp/hinoring/
Twitter
https://twitter.com/hinorin


<Cheer Up!関連リンク>

3rdアルバム『Third Party』インタビュー(2019年)
http://www.cheerup777.com/nf4.html
特集 Selim Slive Elementz 「私の好きなマイルス」寄稿(2019年)
http://www.cheerup777.com/sse2019/selim2019-6.html#section17
「私の吹部時代」寄稿(2017年)
http://www.cheerup777.com/brass/suibujidai_hinobayashi.html



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